メゼーニ塗り(Мезенская роспись)はロシアの北部、アルハンゲリスク州の工芸品で別名パラシェリスカヤ・ロースピシと呼ばれるように、メゼーニ川の畔のパラシェーリエ(Палащелье)村から始まった塗りものです。
メゼーニ塗りには古代スラブ時代から伝わるパターンがあり、赤と黒を使って、馬や川鳥などが連続模様で描かれ、全てのマークに意味があります。木製の棒、ライチョウやヨーロッパオオライチョウの羽、そして人間の毛髪を使った筆を使い、昔は男性だけがこの模様を描いていたとか。神秘的な工芸品です。
また、アルハンゲリスク州の北ドヴィナ川(Северная Двина)沿いの村々では、独創的な塗り物が発達しました。それらを合わせてセヴェロドヴィンスク(北ドヴィナ)塗り(Северодвинская роспись)と呼びます。
●ペルマゴーリエ塗り(Пермогорская роспись) …
ペルマゴーリエ(пермогорье)という北ドヴィナ川の波止場近郊のいくつかの村が発祥の塗り物。
●バロック塗り(Борецкая роспись)…バロック(Борок)村発祥の塗り物。
●ラクルカ塗り(Ракульская роспись)…北ドヴィナ川の支流・ラクルカ(Ракулка)川沿岸発祥の塗り物。
●プチューガ塗り(Пучужская роспись)…プチューガ(Пучуга)村発祥の塗り物。
などがあります。それぞれ文様に特徴があり、白地に赤、黄、緑、黒を用いた美しい塗り物です。
現在では一つの技法だけでなく、いくつかの北ドヴィナ塗りの技法を組み合わせて、作品を作る作家もいます。